ちょっとマニアックな話

外郭の整備の履歴(6)

2012.03.24

外郭の整備の履歴(6)

外郭調査で見つかった遺構で、これまで沖縄のどこにも類例のない不思議な遺構がある。

6本の柱で支えられた大きな掘立柱の建物の地下に、なぜか大地を掘りくぼめ、その中で火をたいたような形跡があるのだ。6つの穴は柱の穴。中央の赤く焼けた様子は土坑と呼ばれる穴である。

ある研究者の見解によれば、これは焚火祭祀を実行した神アサギであると評価されている。

調査当初は、これだけ大きな施設なので、鍛冶などの工場ではないかと考えていた。その後、地下から麦とみられる炭化した植物遺体がみつかったことから、それでは、やはり調理にかかわる遺構ではないかと推定された。けっきょくどちらも推論であるが、いずれにしても建物の中でこれだけダイナミックに火を炊いてはたして屋根は焼けなかったのかなど、解決できない課題ばかりが残る不思議な遺構である。

建物の発掘時の様子が分かるようにと、現場では遺構が発掘されたその直上に、陶板に焼きつけて説明板も設置されている。

こちらの遺構についても、まだまだ研究途上だが、是非発掘された当時のその時の様子を多くの方にご覧いただければ幸いである。




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