今帰仁城跡の城壁の修理に用いられる石は、今帰仁城跡が立地するその大地から切り出された石(あるいは転石)と考えられています。
城壁は時を経てだいぶ崩れているので、毎年少しづつ修理を行っています。
平成21年度は外郭と呼ばれる今帰仁城跡のもっとも北側の城壁を修理しました。
修理を進めていくといろいろな問題に突き当たりますが、一つ一つ解決していきます。
解決できない問題の方が山積みですが、専門の先生方やプロの仕事人の意見を集め、解決していきます。修理をしているときに、毎年問題になることに、その一つに石材の問題があります。
石材はの調達は多くの場合、石垣の崩れた箇所から回収されますが、崩れていく中で小さくなったり、あるいは志慶真川まで転落して落ちてしまったり、劣化の問題や遺失によって石が足りなくなる場合があります。
次に紹介する写真は、今帰仁城跡の志慶真門郭の修理を行った際に、本部の採石場から新材を仕入れ修理場所(写真下)と、オリジナルの城壁の城壁の壁面の様子(写真上)を撮影したものです。
オリジナルの石は角張り、目地に少し緊張感がありますが、新材は石一つ一つがやや丸くなっていて、目地がゆるんでいるように見えます。
ちょっとした違いですがお気づきになりますでしょうか?
気にならない程度なら、上々の仕上がりといったところでしょうか・・・